
楽しさいっぱいの地震 診断
さまざまな企業努力が払われたにもかかわらず、日本は京都議定書の6%削減はおろか、実際には1990年比で二酸化炭素排出量を増加させてしまいました。
そこで、国際的な非難を受けることを回避しなくてはならないAt政権は、一計を案じ○Hk政権の公約が国民に重くのしかかる!ところが、Hk首相が国連気候変動サミットにおいて、1990年比で6%削減するとの国際公約を打ち出したため、基準年変更のもくろみはほとんどついえてしまいました。
それ以上に日本企業と国民に重くのしかかるのが、At政権の削減目標の3倍を超える、非常に高い目標を掲げたことでしょう。
2020年までの中期目標とはいえ、それを達成するために私たちが負担しなければならないコストが大きく跳ね上がるのは避けられません。
この点に関して、Hk政権が正式に誕生する直前の9月8日Sk新聞に国民のコスト負担についての政府試算が取り上げられました。
それによると「2020年までに二酸化炭素を1990年比で6%削減するために、今ある技術を一つの家庭で総動員すると、最大で650万円の負担増になる」というのです。
京都議定書の削減目標に2%を上乗せした8%にすぎません。
At政権としては、高い目標を掲げることよりも、2005年という基準年を持ち出すことのほうに大きな目的があったのでしょう。
単純に考えれば、At政権より3倍も高い目標を達成するためには、一世帯あたりの負担額も3倍以上は高くなるはずです。
自民党政権時代の試算「500万円」が正しければ、少なくとも私はこの記事を読んですぐさま、「おかしいな」と感じました。
というのは、At政権の2005年比2%削減案のコスト負担について記された、次のような記事を読んでいたからです。
一部分を掲載しておきましょう。
『経済産業省は2020年の温室効果ガス削減の目標時で政府が掲げる2001年比〈199》削減を達成するが一戸建住宅の断熱工事で100万、太陽光パネルの設置で230万円、ハイブリッド車への買い替えで従来車より50万円の負担増などを要している」なぜなら、二酸化炭素は初めのうちは比較的容易に削減できるかもしれませんが、削減が進めば進むほど、さらなる削減に結びつく目ぼしい方法は見当たらなくなるからです。
最初の1%を削減するコストよりも、次の1%を削減するコストのほうが大きくなり、さらに次の1%のためにはもっとお金と時間をかけなくてはならなくなります。
削減コストは、二次関数の放物線グラフのように、削減達成率が高まっていくほどカーブを描いて上昇するはずです。
疑問は、これだけにとどまりません。
常識的に考えれば、3倍の削減率を達成するためのコストは、3倍では済まないはずなのです。
このことは、次のように考えれば簡単に理解できるでしょう。
例えば、ある家庭が500万円かけて、At政権案の1990年比8%削減を達成した「1500万円」の負担とならなければ不自然です。
逆に、6%削減が「650万円」で達成可能であれば、At政権の2%削減は「200万円」程度の負担でも十分に足りる話になるのではないでしょうか?このように、8月5日の試算と9月8日の試算とを比較検討してみると、二酸化炭素削減のコスト負担について、私たちは間違った情報を与えられている可能性が高いのではないかと考えられます。
いずれにしても、国民の生活水準や平均賃金を考えると、国が補助金を出し、各家庭が背負う二酸化炭素削減コストの3分の1を負担したとしても、ほとんどの家庭はそこまでの負担に応じられるとは思えません。
つまり、すでに取れる手段は取り尽くしているわけです。
そのうえさらに削減しなければならないとすれば、居住用スペースを犠牲にして燃料電池を設置するか、どこかに共同で土地を買って緑を育てるか、より高コストの対策をとらなければならなくなるでしょう。
そこで政権が代わり、「さらに3%削減しろ」と言われたら、8%削減にかかった500万円の2倍、つまり1000万円の追加負担でも足りるはずがありません。
なぜなら、その時は自動車も家電も買い替えていますし、家のリフォームも済ませているからです。
結局、二酸化炭素削減のコスト負担のしわ寄せは、家庭が負担できない分は企業に向かわざるをえません。
しかしながら、企業はすでにそのための高いコストを支払っています。
日本経済崩壊のシナリオ例えば、電力各社の2009年3月決算では、H電力を除く9社が二酸化炭素削減のために購入した排出枠の費用を計上しています。
その額は、合計で1001億円にも上っています。
これは、京都議定書の6%削減を達成するために電力各社が負ったコストにすぎません。
また、財政が補助金を出し続けていくことも、先進国の中で借金額がGDP比でトップを走る借金大国には無理な話です。
いずれ補助金がなくなれば、ゆとりがある家庭でも追加の負担をしなくなることは、ヨーロッパの「ソーラー・バブル」崩壊を見れば明らかです。
一気に需要が縮小するのは避けられないでしょう。
民主党政権が掲げる6%削減を達成するならば、少なくともこの4倍以上のコストが必要になり、その額は過少に見積もっても4000億円を超えてしまいます。
取引市場で排出権が2倍、3倍に高騰する可能性があることを考えると、電力企業全体の負担が1兆円を優に超えるようなケースも想定しておかなくてはなりません。
そうなると、このままでは電力企業の経営が事実上できなくなってしまいます。
結局は電力料金の大幅な引き上げによって、国民が負担を背負う構図になるのが妥当なシナリオであると考えられます。
これほど巨額のコストが、電力業界だけでかかるのです。
全産業ではいったいいくらのコストがかかるのか、恐ろしくてまともに積算できないというのが、政府の本音ではないでしょうか?一方、環境バブルで欧米の金融機関が狙っているのは、排出権の高騰です。
直裁的に言えば、排出権を高騰させることによって、不良債権を一掃しようとしているのです。
そのために、彼らは金融危機以降、安い価格で排出権を大量に買い漁ってきています。
ヨーロッパの主要国が国連気候変動サミットにおいて、Hk首相の6%削減を拍手で迎えたのは、日本の姿勢が変化したことによって、排出権バブルの実現にまた一歩大きく近づいたからです。
ヨ−ロッパの国々が常に高い削減目標を掲げるのは、排出権バブルへと世界を誘導するための、いわば「見せ球」なのです。
これまでに徹底的なコスト削減を行ってきた企業は、それを人件費の圧縮という形に転嫁せざるをえません。
労働者の賃金が下がれば物価も下がり、デフレがさらに加速します。
日本は、リーマンショック後の不況と同等、いや、それ以上の不況に襲われることになるかもしれません。
このような環境不況によって、企業の海外移転が加速し、産業が空洞化してしまうことが懸念されます。
結果として、失業率は上昇し、国民生活はどん底に突き落とされる可能性が高いのです。
そして、日本全体で負担するコストに苦しめられる私たちを尻目に、欧米の金融機関は日本企業のコスト負担増は、排出権バブルが起こればよりいっそう重くのしかかってきます。
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